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和粗食
飽食の時代と言われてから久しいですが、そんな食べ物の溢れる時代にあって、今「粗食」である事が見直されています。
それに加えて日本では、これまで和粗食という、わが国独自の伝統的な食事が日本人の食生活を支えてきたという事実もありました。
かつては、和粗食こそ「日本そのもの」だったという時代があったのです。
その粗食を支えるもの、その1つが「水」です。
水こそ健康の源であるということは、これまでの専門家のさまざまな研究によって立証されています。
日本の水が、いかに日本人の健康や長寿に寄与しているかは、論を待つまでもないことでしょう。
水に恵まれているということは、日本人が健康で長生きできる重要な要素のひとつとしてまず考えられます。
朝、昼、晩と一日に三度、日本人は必ず和粗食を食べて暮らしていました(この和粗食も「恵まれた水」なしでは語れない、世界でも特異な料理のひとつなのです)。
そして、この伝統的な和粗食は、とても質素な食事とも言えます。
身近な素材を使った簡素な食事が日本人を支えていたのです。
本来の日本の食事は、世界中のどんな料理にも負けないほど、新鮮な野菜や魚を中心とした食事でした。
栄養成分も豊富に含まれていたのです。
「質素だけど新鮮な素材を使った、栄養満点の和粗食と、長寿国二ッボン」和粗食がが質素な食事でも、それを常食していた日本人が長寿だったという事実があります。
つまり、日本人が和粗食を食べ続けてきたことと、日本が世界的な長寿国になれたという事実との間に、必ずなんらかの因果関係があるのです。
もちろん、健康で長生きするためには、食事以外にもさまざまな重要な要素があることは、想像に難くありません。
しかし、食生活ほど人間の健康にとって大切なものはないのです。
和粗食こそは、21世紀の現代においても、十分に通用する、健康食なのです。
昭和40年代を境に変化した、日本の食生活。
ハンバーガーやインスタントラーメンの登場で手軽に食べられる食品へと、人々の食事が変わっていきました。
重要なのは、現在長寿と言われている人達は、その頃青年期・壮年期だった人達なのです。
彼らは、インスタント食品登場前の、和粗食で育ち、健康の基礎を作ってきた人達なのです。
今も元気なこれらの年代のお年寄りには、現在も和粗食の生活を送っている人が多いのです。
最近の日本人の食生活の実態はどうなっているのでしょうか。
昭和30年以後、日本には沢山の外国の食事が進出してきました。
ハンバーガーや、フライドチキンなどのファーストフードは、そのオシャレな形態から若者を中心に、アッという間に日本中に広まっていきました。
その後、「グルメ・ブーム」がやってきました。
巷ではイタメシ(イタリア料理)をはじめ、フランス料理、韓国料理、タイ料理そしてファミリーレストランや屋台村に代表される「無国籍料理」などが軒を連ねています。
TVをつければ、旅番組と言っても日本、いや世界各地の食べ物を紹介する番組の、なんと多いこと。
グルメ雑誌と呼ばれる、ラーメン、スイーツ、パスタなどさまざまな料理の種類毎に雑誌が店頭に並んでいます。
わたしたちはお金さえ出せば、世界中のどんな料理を口にすることもできます。
今の食事文化の主流は、ほとんどが外国料理中心ではありませんか?
もちろん、外国料理には、外国の料理のよさがあります。
ただ、どうしてみんなが日本古来の食べ物へもう少し関心を寄せないのだろうかと、思います。
日本には「和粗食」という伝統的な、そして外国の料理にも決して引けをとらない、すばらしい食文化が長い間息づいていたのです。
確かに、野菜や魚を中心とした和粗食には、往年の人気はないかもしれません。
特に若い方には、物足りないものも、あるかもしれません。
しかし、和粗食ならではのすばらしい点もたくさんあるのです。
世界各国の食事を居ながらにして口にできる現在の日本人にとって和粗食とは、もはや高級料亭や割烹料理屋での「値段だけが高い料理」という認識しかないのでしょうか。
世界に誇れる和粗食とは、これまで日本の庶民生活に密着した身近な食べ物でした。
それが昨今のグルメ・ブームとやらの影響で、若者たちは「和粗食=高級食事、それならば安くて手軽なタイ料理」という図式を作り上げたのでしょうか。
本来、和粗食とは、自然界の身の周りにある草木や魚などを、先人たちの体験や知恵から得た方法で調理し、長い間身近に食してきたのです。
いわば、日本の庶民の生活体験の中から自然発生的に生まれてきた独特の料理なのです。
和粗食は体によくてダイエットになる理想食昔から、「食は医なり」と言われています。
この言葉は、正しい食事をしていれば、病気になりにくい、あるいは、万が一病気になったとしても、食を正せば病気は治るという言い伝えを指しています。
以前はそれだけ食べ物に対しての信頼や関心、そして信仰に近い畏怖をわれわれ日本人は持ち合わせていたのです。
それほど日本古来の食べ物=和粗食は、切っても切れない密接な関係を保ってきたのです。
つまり和粗食は食卓の主役、病気にも打ち勝つ万能の料理なのです。
では、現代では和粗食と日本人の生活との繋がりはどのようになっているのかと言えば、先にも触れたように、その関係はかなり希薄です。
皮肉なことに、欧米で最近になって日本食が健康によいという理由でもてはやされているというのは、皮肉なものです。
巷では、さまざまな料理の本や、食事に関する情報があふれています。
雑誌やテレビだけではなく、新聞の文化欄でも、盛んに食事に関する記事を取り上げています。
それだけ現代人が食べることに関心を寄せているということなのでしょう。
そしてこの食べ物ブームと並行するように最近では、健康やダイエットに関してもかなりの関心が集まっているようです。
「体によいものを食べて、病気知らずでより健康になり、しかもそれでダイエットができれば最高」このぜいたくな言葉が、今の人気のキーワードなのでしょう。
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